尾行での調査対象者変更

尾行において対象者を変更する事は良くあります。

一番多いのは浮気調査において対象者と接触した浮気相手を変更する事です。

配偶者である依頼人から指示を受け対象者を尾行します。

すると浮気相手と合流、一緒に飲食をした後、ラブホテルに行きました。そして数時間後、ラブホテルより一緒に出てきました。

もちろん、合流した時からラブホテルの出入りの写真撮影は完璧にこなします。

そして、近くの駅で別れました。

ここから浮気相手に対象者を変更します。これは浮気相手を特定するためです。

自宅などを突き止める必要があるからです。

対象者の不貞行為の事実はラブホテルの出入りの写真だけでも充分に証拠となりますが、浮気相手が特定できていないと今後の話し合いや慰謝料請求において支障をきたすからです。

浮気相手に対象を変更して尾行を続け、相手の自宅を突き止めて終了となります。

これは浮気相手という特定しやすい人物である為に対象変更は容易です。

しかし、容易でない対象変更もあります。例えば社員の情報漏洩調査や賄賂調査における尾行です。

今の世の中、相手と会って情報や現金の手渡しをするのかと思う人も多いかと思うが、この直接会って手渡しする方法こそが様々な証拠が残らず、お互いに信用しかねる相手との取引だからこその方法なのです。

仮に情報を先に渡してしまうと報酬を貰える保証はありません。まして訴える事は出来ないのでこのアナログ的な取引が有効なのです。

この人物が怪しいと指示を受けて尾行を開始、ある喫茶店に入ります。こちらも同席します。単なる友人、知人なのかこの調査の目的である取引相手なのかを見極めなければなりません。

映像が撮影可能であれば最大限の努力をして撮影、また会話を盗聴します。

そして指定人物と見極めたら対象変更して尾行を続行、その人物の自宅や勤務先を特定します。

この見極めが難しいのです。

喫茶店程度なら簡単だが料亭やホテルの一室というケースも多く、最近では居酒屋でも個室があるところもあります。

こうなると撮影や盗聴が出来ない場合も多い、この見極めこそが探偵の経験がものを言います。

店から出てきた様子から一瞬で判断を迫られます。

時には相手が1人とは限らない、複数の場合もあります。

尾行する調査員も限られている為に1人に絞る必要も迫られます。

その結果、間違いなく、有益な報告が出来れば探偵としてこれ以上のものはありません。